2020年9月12日(土)に開催された第4回日本ワンヘルスサイエンス学会にて、「ネコ用ワクチン接種後のアナフィラキシーに関する研究」を発表いたしました。

この研究は下記の先生方との共同研究です。

麻布大学教授 阪口雅弘教授、内山純平講師
北里大学 今西市朗助教
理化学研究所 生命医科学研究センター 水上圭二郎研究員

●発表内容
抄録はこちらをご覧ください。

本研究では、2004年度から2018年度までのネコ用ワクチン接種後の副作用についての調査を行い、また、日本で流通しているネコ用ワクチンに含まれるBSA量の測定を行いました。

 

年度別の副作用発生の推移

猫用ワクチンを接種した後の副作用発生数の年度別推移を示したグラフです。ネコ用ワクチンの副作用は年平均で約21例発生し、15.5例が死亡していました。

また、アナフィラキシーは年平均8.6例発生し、6.5例が死亡していました。

 

典型的なアナフィラキシーの例

典型的なアナフィラキシー症例です。ワクチン接種から短時間で重篤な症状が現れています。また、呼吸器系の症状が最も多く、続いて循環器系と消化器系の症状が多くみられました。

 

ネコ用ワクチンに含まれるBSA量

国内で流通している10種類のワクチンに含まれる、ワクチンの副作用の原因物質の一つであるウシ血清アルブミン(BSA)の量は、WHOが定めるヒト用ワクチンの基準値である50 ng/doseを大幅に上回っていました。