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受託サービス

ITEA TechnologiesITEAの技術

2007年からアレルギーの研究と受託試験を通じ
「環境と食の安全」を深く追及してきました。
培ってきた十数年のノウハウを活かし、
さらなる技術革新、製品開発を目指します。

当社では、環境中のアレルゲン測定の実施だけではなく、アレルゲンの管理(アレルゲン原材料の管理、アレルゲン原材料からのアレルゲンタンパク精製)、アレルゲンの測定技術(アレルゲンに対するモノクローナル抗体作製、高性能ELISAの構築技術)、製品評価の基盤技術を構築してきました。これらの基盤技術に加え、技術を構築するなかで得られた知識やノウハウを結集して、アレルゲン測定・分析に関わる受託試験や研究用試薬の開発、共同研究開発に取り組んでいます。

当社では、研究開発から製造まで自社で取り組んでいるからこそ可能となる、環境中のアレルゲンを定量・分析する技術を基盤としたサービスおよび製品を、アレルギーに関する基礎および臨床研究、公衆衛生、そして企業の製品開発に提供しています。

こちらのページでは、当社の技術を紹介いたします。

アレルゲンの管理

アレルゲン原材料調達・管理

アレルゲン原材料調達・管理

アレルゲン関連製品の安定的な供給のため、原材料のサプライチェーンの体制を整えています。原材料を国内外から調達し、採取年度および採取場所の情報も管理しています。これらの原材料は、受託試験に使用するマテリアルやアレルギー研究用試薬の開発製造に使用しています。ご要望に応じて、新たなアレルゲン原材料のサプライチェーンの確立にも積極的に取り組んでいます。

アレルゲンの抽出・精製

クロマトグラフィー等の技術を駆使して、ダニ、花粉、真菌、動物由来の原材料からのアレルゲンの抽出・精製を行っています。抽出・精製されたアレルゲンは、当社の受託試験の材料やアレルギー研究用試薬の製造に用いております。
抽出・精製の条件は、アレルゲンの種類により様々であり、使用目的によっても変わります。アレルゲンの抽出・精製の技術・ノウハウによって、受託試験や製品ごとに至適な組成のアレルゲン抽出物を調整することが可能となります。

アレルゲンの測定

アレルゲンの測定

モノクローナル抗体作製技術

アレルゲンの定量には、2種類のモノクローナル抗体を使ったサンドイッチELISAを用います。サンドイッチELISAには、液相で抗原に結合できる抗体クローンが必要となります。さらに抗原認識部位が異なる2種類のモノクローナル抗体の組合せが重要となります。
当社では、げっ歯類を用いたモノクローナル抗体作製技術を基盤に、サンドイッチELISAに至適なモノクローナル抗体を効率的に作製および選択する技術を開発しました。従来の方法では、サンドイッチELISAに至適なモノクローナル抗体の組合せを検討するのには膨大な作業が必要でしたが、当社技術によって短期間でサンドイッチELISAを樹立することが可能になります。当社の受託試験およびアレルゲン測定ELISAキット製品にはこの技術を用いて作製したモノクローナル抗体を使用しています。

高感度ELISAの作製技術

当社は、より微量のアレルゲンでも測定できる高感度ELISAの技術を持っており、一般的なELISAと比較して、約15倍の感度(~十数pg/ml)を有するアレルゲンELISAを実現しています。環境中にある微量なアレルゲンを測定したい、アレルゲンを低減化(不活化)、除去する製品を評価する際により低濃度の領域まで測定したいといったご要望にもお応えしています。

製品評価の基盤技術

製品評価の基盤技術

サンドイッチELISA樹立の技術

サンドイッチELISAを樹立する上で重要な要素として、抗体の組合せに加え、抗体の至適濃度、ブロッキング剤の選定および至適濃度、発色基質の選定、反応時間、抗原の検出範囲検討(検出限界および定量下限の評価)、抗体の標識などがあります。また、測定の精度、再現性の評価等のバリデーションテストも必要となります。当社は各種アレルゲンELISAを構築する中でこれらの技術・ノウハウを高めてきました。さらに、オールインワンのサンドイッチELISAキットのプラットフォームを有しています。捕捉抗体固相化された乾燥プレート、標準液、酵素標識抗体の製造管理、それぞれのELISA系に最適な緩衝液および発色基質の調整についての技術があります。ELISA構築のご要望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

ドットブロット法によるアレルゲン低減試験(特許第7126665号)

アレルゲンに対する不活化剤の評価にはサンドイッチELISAが使われてきました。しかし、サンプルに含まれる不活化剤が試験に影響を与えることがあります。そのため、不活化剤の影響によりELISAで測定されるアレルゲンの量が実際よりも少なくなり、その結果不活化剤の効果が過大に評価される可能性があります。ドットブロット法は、免疫染色とタンパク質染色を組み合わせ、不活化剤が試験に与える影響を減らした、アレルゲン不活化剤の評価方法です。
アレルゲンをメンブレンに固定したものを2枚用意し、被検薬と反応させた後にメンブレンを洗浄し、免疫染色とタンパク質染色を行います。タンパク質染色で発色がなければ被検薬はアレルゲンをメンブレンから取り除くと判断できます。一方、タンパク質染色は発色するが免疫染色は発色しない場合、被検薬はアレルゲンを取り除くのではなくアレルゲンを不活化すると判断できます。
この手法は、液剤だけでなく、サンドイッチELISAでは評価が難しかった空気中に散布した薬剤などの評価にも応用することが可能です。

PCRによるダニの検出・定量技術

当社では環境アレルゲンの検出方法として、喘息の原因となる二種のダニ(コナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニ)の遺伝子情報からそれぞれを特異的に増幅するプライマーとプローブを作製し、リアルタイムPCR法によってそれぞれのダニを特異的に検出・定量する技術を確立しました。この技術によって、より高感度・短時間かつ低コストでのダニの検出・定量が可能になります。
製品評価、研究試薬の開発、共同研究においてご要望がございしたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

当社が参画した研究論文

論文の著作権は、各雑誌発行元、または正当な権利を有する第三者に帰属しています。
  1. New dot-blot method for evaluating the effect of inactivators on mite and Japanese cedar pollen allergens. Biosci. Biotechnol. Biochem. 85, 2089-2092, (2021).

  2. Acute and subacute oral toxicity of deoxynivalenol exposure in a Dermatophagoides farinae induced murine asthma model. Toxicol. Sci. kfaa168, (2020).

  3. IgE reactivity to fish allergens from Pacific cod (Gadus macrocephalus) in atopic dogs. BMC Vet. Res. 16, 341 (2020).

  4. The Nonantibiotic Macrolide EM900 Attenuates House Dust Mite-Induced Airway Inflammation in a Mouse Model of Obesity-Associated Asthma. Int. Arch. Allergy Immunol. 181, 665–674 (2020).

  5. The non-antibiotic macrolide EM900 attenuates HDM and poly(I:C)-induced airway inflammation with inhibition of macrophages in a mouse model. Inflamm. Res. 69, 139–151 (2020).

  6. Activation of aryl hydrocarbon receptor by benzo[a]pyrene increases interleukin 33 expression and eosinophil infiltration in a mouse model of allergic airway inflammation. J. Appl. Toxicol. 40, 1545–1553 (2020).

  7. Time-dependent distinct roles of Toll-like receptor 4 in a house dust mite-induced asthma mouse model. Scand. J. Immunol. 87, (2018).

  8. Saturated Fatty Acid Increases Lung Macrophages and Augments House Dust Mite-Induced Airway Inflammation in Mice Fed with High-Fat Diet. Inflammation 40, 1072–1086 (2017).

  9. Interleukin-33 from Monocytes Recruited to the Lung Contributes to House Dust Mite-Induced Airway Inflammation in a Mouse Model. PLoS One 11, e0157571 (2016).

  10. β2 adrenergic agonist attenuates house dust mite-induced allergic airway inflammation through dendritic cells. BMC Immunol. 15, (2014).

  11. お好み焼き粉に繁殖したダニによる即時型アレルギーの2例―Inhibition immunoblot法による原因抗原の検討と粉の種類によるダニ数およびダニ抗原増加の検討―. 日本皮膚科学会雑誌 120, 1893–1900 (2010).