当社では、環境中のアレルゲンを定量・分析する技術を基盤としたサービスおよび製品を、アレルギーに関する基礎および臨床研究、公衆衛生、そして企業の製品開発に提供しています。

環境中のアレルゲン測定の実施だけではなく、アレルゲン原材料の管理、アレルゲン原材料からのアレルゲンタンパク精製、アレルゲンに対するモノクローナル抗体作製、高性能ELISAの構築技術、さらにアレルゲン粒子の分析などの基盤技術を構築してきました。これらの基盤技術に加え、技術を構築するなかで得られた知識やノウハウを結集して、アレルゲン測定・分析に関わる受託試験や研究用試薬の開発、共同研究開発に取り組んでいます。

研究開発から製造まで自社で取り組んでいるからこそ可能となるサービス・製品を提供しています。

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アレルゲン原材料調達・管理

アレルゲン関連製品の安定的な供給のため、原材料のサプライチェーンの体制を整えています。原材料を国内外から調達し、採取年度および採取場所の情報も管理しています。これらの原材料は、受託試験に使用するマテリアルやアレルギー研究用試薬の開発製造に使用しています。ご要望に応じて、新たなアレルゲン原材料のサプライチェーンの確立にも積極的に取り組みます。

アレルゲンの抽出・精製

クロマトグラフィー等の技術を駆使して、ダニ、花粉、真菌、動物由来の原材料からのアレルゲンの抽出・精製を行っています。抽出・精製されたアレルゲンは、当社の受託試験の材料やアレルギー研究用試薬の製造に用いております。

抽出・精製の条件は、アレルゲンの種類により様々であり、使用目的によっても変わります。アレルゲンの抽出・精製の技術・ノウハウによって、受託試験や製品ごとに至適な組成のアレルゲン抽出物を調整することが可能となります。

モノクローナル抗体作製技術

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アレルゲンの定量には、2種類のモノクローナル抗体を使ったサンドウィッチELISAを用います。サンドウィッチELISAには、液相で抗原に結合できる抗体クローンが必要となります。さらに抗原認識部位が異なる2種類のモノクローナル抗体の組合せが重要となります。

当社では、げっ歯類を用いたモノクローナル抗体作製技術を基盤に、サンドウィッチELISAに至適なモノクローナル抗体を効率的に作製および選択する技術を開発しました。従来の方法では、サンドウィッチELISAに至適なモノクローナル抗体の組合せを検討するのには膨大な作業が必要でしたが、当社技術によって短期間でサンドウィッチELISAを樹立することが可能になります。当社の受託試験およびアレルゲン測定ELISAキット製品にはこの技術を用いて作製したモノクローナル抗体を使用しています。モノクローナル抗体の作製、ELISAの樹立などについても、お気軽にご相談ください。

サンドウィッチELISA樹立の技術

サンドウィッチELISAを樹立する上で重要な要素として、抗体の組合せに加え、抗体の至適濃度、ブロッキング剤の選定および至適濃度、発色基質の選定、反応時間、抗原の検出範囲検討(検出限界および定量下限の評価)、抗体の標識などがあります。また、測定の精度、再現性の評価等のバリデーションテストも必要となります。当社は各種アレルゲンELISAを構築する中でこれらの技術・ノウハウを高めてきました。さらに、オールインワンのサンドウィッチELISAキットのプラットフォームを有しています。捕捉抗体固相化された乾燥プレート、標準液、酵素標識抗体の製造管理、それぞれのELISA系に最適な緩衝液および発色基質の調整についての技術があります。ELISA構築のご要望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

高感度ELISAの作製技術

当社は、より微量のアレルゲンでも測定できる高感度ELISAの技術を持っており、一般的なELISAと比較して、約15倍の感度(~十数pg/ml)を有するアレルゲンELISAを実現しています。環境中にある微量なアレルゲンを測定したい、アレルゲンを低減化(不活化)、除去する製品を評価する際により低濃度の領域まで測定したいといったご要望にもお応えしています。

アレルゲン粒子散布・回収の技術

当社は、実験的にハウスダスト、花粉、ダニなどの粒子を散布および回収する技術、散布した粒子の粒度分析や分布解析技術を有しております。これらの技術に基づいて、エアコン、空気清浄機、クリーナー、清掃用品どの製品の性能評価を請け負っています。

継続的に製品を開発していく上では、製品性能を正しく評価する必要があります。そのためには性能評価の再現性・精度が求められます。当社はこの点を重視して、より再現性の高く精度がいい性能評価試験の基盤となる技術の研究開発を続けています。これらの技術と上記のアレルゲンに関わる諸技術を組み合わせることで、品質の高い性能評価試験を提供することが可能となっています。

新たな取組み

当社は、環境中のアレルゲン測定のほかエンドトキシン測定の技術と実績(*1)もございます。ご要望がありましたらお気軽にお問い合わせください。
*1  2015年4月~2016年8月 「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」において、環境調査試料ダニアレルゲン及びエンドトキシン測定業務を受託。

測定受託へ

また、研究機関と連携して、アレルゲンとアレルギー発症の免疫学的メカニズムに関わる研究を進めています。これらの研究を通して、さらなる技術革新、製品開発を目指しています。

試験受託、研究試薬の開発、共同研究においてご要望がございしたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

弊社が参画した研究論文

論文の著作権は、各雑誌発行元、または正当な権利を有する第三者に帰属しています。

2020

Acute and subacute oral toxicity of deoxynivalenol exposure in a Dermatophagoides farinae induced murine asthma model. Toxicol. Sci. kfaa168, (2020).

TLR9–IL-2 axis exacerbates allergic asthma by preventing IL-17A hyperproduction. Sci. Rep. 10, 1–17 (2020).

Measurement of the concentration of serum soluble interleukin-2 receptor alpha chain in dogs with lymphoma. Vet. Immunol. Immunopathol. 225, 110054 (2020).

IgE reactivity to fish allergens from Pacific cod (Gadus macrocephalus) in atopic dogs. BMC Vet. Res. 16, 341 (2020).

The Nonantibiotic Macrolide EM900 Attenuates House Dust Mite-Induced Airway Inflammation in a Mouse Model of Obesity-Associated Asthma. Int. Arch. Allergy Immunol. 181, 665–674 (2020).

The non-antibiotic macrolide EM900 attenuates HDM and poly(I:C)-induced airway inflammation with inhibition of macrophages in a mouse model. Inflamm. Res. 69, 139–151 (2020).

Activation of aryl hydrocarbon receptor by benzo[a]pyrene increases interleukin 33 expression and eosinophil infiltration in a mouse model of allergic airway inflammation. J. Appl. Toxicol. 40, 1545–1553 (2020).

2018

Time-dependent distinct roles of Toll-like receptor 4 in a house dust mite-induced asthma mouse model. Scand. J. Immunol. 87, (2018).

2017

Saturated Fatty Acid Increases Lung Macrophages and Augments House Dust Mite-Induced Airway Inflammation in Mice Fed with High-Fat Diet. Inflammation 40, 1072–1086 (2017).

2016

Interleukin-33 from Monocytes Recruited to the Lung Contributes to House Dust Mite-Induced Airway Inflammation in a Mouse Model. PLoS One 11, e0157571 (2016).

2014

β2 adrenergic agonist attenuates house dust mite-induced allergic airway inflammation through dendritic cells. BMC Immunol. 15, (2014).

2010

お好み焼き粉に繁殖したダニによる即時型アレルギーの2例―Inhibition immunoblot法による原因抗原の検討と粉の種類によるダニ数およびダニ抗原増加の検討―. 日本皮膚科学会雑誌 120, 1893–1900 (2010).