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2025.12.10

パナソニック社との共同研究「気体状次亜塩素酸によるスギ花粉(Cryptomeria japonica)のアレルゲン不活化メカニズムの解析」が室内環境の12月号に掲載されました。

パナソニック社との共同研究「気体状次亜塩素酸によるスギ花粉(Cryptomeria japonica)のアレルゲン不活化メカニズムの解析」が室内環境の12月号に掲載されました。

次亜塩素酸は強力な酸化作用を持つため、殺菌やウイルスの不活化など、様々な用途で使われている。また、次亜塩素酸は揮発すると、酸化作用を保持したまま空気中に存在できる。本研究では、気体状の次亜塩素酸がスギ花粉やそのアレルゲン(Cry j 1)を不活化する効果と、そのメカニズムを調べた。まず、Cry j 1を気体状次亜塩素酸に曝露し、ドットブロット法とサンドイッチELISAを用いてCry j 1の活性の変化を調べた。さらに、SDS-PAGEおよびLC-MS/MSを使って、Cry j 1のアミノ酸配列に生じた変化を解析した。その結果、次亜塩素酸に曝露されたCry j 1は不活化され、その原因はCry j 1のペプチド結合が不規則に分断されたためであることが分かった。また、スギ花粉を気体状次亜塩素酸に曝露したところ、花粉の機能が不活化され、アレルゲンの放出が抑制されることも明らかになった。